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京の粋な達人、京都の達人の素顔に迫る


京飴とは昔ながらの手作業での飴づくりを今に伝えるもの。 日本に数軒となった手作り京飴が京菓子に彩りをそえる…。

京飴の歴史は非常に古く、古代日本の記録に残るほどである。
伝統が消えていく中で伝統の技を今なお育む「技」の京飴、名工がつくる飴匠さわはらの「京飴」はただの飴と呼ぶには惜しい芸術品だ。
機械での製造が主流になり、飴というものが何気ないものになった現代。
伝統の製法で作り出す手作りの飴がこれほどまでに深いものだったことを知るとスーパーに並ぶ「あめ」がとても浅く感じられてしまう。

手間ひまかけた食品の底力さえ感じさせる京飴の魅力について京都府優秀技能者「現代の名工」を受賞した京飴職人、飴匠さわはらの澤原勇雄会長にお話をうかがった。

よく見かける風景だが、子供に飴を与えると泣き止んだり、大人しくなったりするものである。
「時代が変わっても飴菓子は母の味。人に心地よい感情を抱かせ、安堵感、渚足感を与えるものです。人が最初に覚える甘みは母乳の甘み。成長期に必要なものであり、この摂取量が少ないと想像力や感情の乏しい人間になるのではないでしょうか。」と澤原会長は語る。
澤原会長は農家の二男に生まれ、京都下鴨の親戚の家に奉公に出て、戦後より飴職人としての技術習得に情熱を注がれた。十五年の修行の後、三十一歳で京都山科の地で創業。以来、京飴の可能性を時代に合わせて発展させ続けている。
飴の良し悪しを決めるのは煮詰めがキチンとできているかどうかで決まるという。現代の大半の飴屋は真空圧力鍋で炊き上げるが、昔ながらの製法を守る飴匠さわはらでは銅製の地釜炊き。圧力釜だとコクが乏しくなるのだという。
煮詰めが足りないと歯ざわりが悪い飴になるので、強火でできるだけ早く煮詰めることが重要で、焦げ色のつき加減も職人の腕の見せ所らしい。
「出来上がったものを目で見て、手で触って判断します。要するに棒ですくい、160℃の高温の飴でも手で伸ばし、粘度、乾燥度、砕け方を目で確認します。今は測定機があるので間違いありませんが昔はカンと腕に頼るしかありませんでした。」と澤原会長。
飴とはどういったものなのか?とずばり聞いてみた。「お饅頭はお父さんの味。飴はお母さんの味。お饅頭はパクパク食べるから美味しい。飴は長く口の中においておき、緩やかな味わいをじっくり味わう。お父さんの味はやはり大きなものだけど、小さくても包み込んでくれるような味もやはり必要なんです。深い味を伝えるのはやはり飴玉なんです。お母さんが母乳を飲ませて子供を育てるので、こういう味はいつまでも残っています。人間歳をとると子供に返っていきますが、子供が乳離れをすると飴を食べて、青年になると飴から少し離れて、その人生の中で六十歳をこえるとまた飴が恋しくなる。それはやはり母親の味が恋しくなるから。年寄りがよく飴を食べるのはこういう理由からだと確信しています。」
現在飴匠さわはらは澤原会長のご子息が社長となり、父であり、師でもある会長の技を引き継いでいる。「技術を受け継ぎ、その技術を更に発展させるとカテゴリーが更に広がります。守るものは守り、殻を打ち破って発展させるものは発展させないといけない。基本は時代のニーズにどう合わせるか、ですね。」と沢原一(はじめ)社長。
最後に会長に飴職人の情熱について語っていただいた。「飴菓子は母の味を想わせる飴の本質と、基本は変わることなく、自覚と情熱を持ってどこまでも進歩を求めて取り組んでいきたいものです。自分が手掛けた一粒の飴が、世の人の口から心の中にまで溶け込んで、和ませてくれるような良い製品を作り続けたいと常より願っております。」
飴匠さわはら、澤原親子の京飴に対する情熱と更なる探究心は今後も変わることなく伝統となって続いていく。



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京の粋な達人第一回:株式会社川勝總本家、川勝康行社長
京の粋な達人第二回:有限会社飴匠さわはら、澤原勇雄会長

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